
東京の築15年を超えるマンションでは、エレベーター内法の有効寸法が幅 780 mm × 奥行き 1,350 mm に満たないケースが 3 割を超える。大阪・名古屋のタワーマンションでも同様に 800 mm 前後が下限で、ワードローブ側板を含めた外寸法がここを上回れば搬入は不可能となる。
設計段階で「搬入経路図」を 1/50 スケールで起こし、本体外寸と廊下・階段・扉の内法を重ね書きするのが、欧米のラグジュアリー造作法では一般的である。

フレンチ・ラグジュアリーの語彙はホワイトオークの柾目突き板と、ルリエの真鍮金物で構成される。表面塗装はオープン仕上げで、木目の方向を一列に揃える。
アメリカン・ラグジュアリーはブラックウォルナットの無垢材を採用する。心材と辺材のコントラストを避け、サウスジャパンの安定した気乾材(含水率 8〜10%)を選ぶ。
ポストモダン・ラグジュアリーは金属フレーム(スチール t = 2 mm まで)、着色ガラス、人工石の組み合わせとなる。重量は 180 kg 前後になり、搬入計画は戸建て 2 階で 4 名必須となる。

東京の年間相対湿度は 55〜80%、名古屋は 60〜85%、大阪は 65〜80% で推移する。ワードローブ内側の表面結露は相対湿度 75% を超える環境で発生しやすい。
マンション中央部の部屋は外気に触れにくく湿気が滞留するため、24 時間換気を止めないことが基本となる。
扉一枚の質量が 12 kg を超えると、隠し丁番(欧州規格 BLUM 互換)の寿命は 7〜8 年に縮む。オープン棚の扉は 1 枚 8 kg 以下にとどめる設計が望ましい。
| 扉仕様 | 1 枚質量 | 推奨ヒンジ | 想定寿命 | 概算単価 |
|---|---|---|---|---|
| 無垢板 30 mm | 9〜11 kg | BLUM 110 度 | 15 万回 | 3,800 JPY/ヶ所 |
| 突板合板 24 mm | 6〜8 kg | BLUM 95 度 | 20 万回 | 2,400 JPY/ヶ所 |
| ガラス入り 21 mm | 16〜20 kg | スガワラ 3D | 12 万回 | 5,200 JPY/ヶ所 |
| 金属パネル 18 mm | 12〜14 kg | Hettich ArciTech | 18 万回 | 4,600 JPY/ヶ所 |
| 鏡面アクリル 12 mm | 5〜7 kg | BLUM 95 度 | 22 万回 | 2,000 JPY/ヶ所 |
東京の 6 畳寝室(3.64 m × 2.73 m)では、ワードローブ奥行き 45 cm を確保すると、ベッド側通行幅が 55 cm にまで縮む。名古屋・大阪の 8 畳寝室(4.55 m × 3.64 m)であれば、奥行き 55 cm・幅 200 cm のワードローブを置いても通行幅 65 cm を保てる。
造付けワードローブは壁面単位の寸法で発注するため、解体・再搬入が利かない。東京の造作工事費は 1 ㎡あたり 180,000 JPY、大阪・名古屋は 165,000 JPY が相場となる。
| 方式 | 単価 | 工期 | 搬入制約 | 耐用年数 | 解体費 |
|---|---|---|---|---|---|
| 建付け 標準 | 320,000 JPY/基 | 1 日 | 扉幅 720 mm まで分解可 | 12 年 | 32,000 JPY |
| 建付け フルオーダー | 640,000 JPY/基 | 2 日 | 扉幅 600 mm まで分解可 | 15 年 | 48,000 JPY |
| 造作 壁面一体 | 540,000 JPY/部屋 | 4 日 | 現地組立のみ | 20 年超 | 90,000 JPY |
| 造作 システム | 420,000 JPY/部屋 | 3 日 | パネル単位搬入 | 18 年 | 72,000 JPY |
国内の木工所は製作期間 35〜50 日、搬入据付 1 日が基本となる。広東省・仏山(FoShan)の製作拠点から船便で輸入する場合、製作 30 日、海上 12 日、通関 4 日、据付 2 日が標準スケジュールである。
構造体(框組・棚板・背板)の 10 年保証は、欧州の木工基準では一般的である。日本の住宅環境で 10 年保証を維持するには、年 1 回の蝶番増締めと、5 年に 1 度の塗装メンテナンスが前提となる。
MIDHILL のような仏山の無垢材木工所は、2008 年の創業以来構造 10 年保証を標準化している。国内の木工所では保証範囲が「表面仕上げのみ」にとどまる場合が多く、構造部の保証は国際的な製作拠点を選ぶ安心材料となる。
東京・大阪・名古屋の買い手の多くは、初回ヒアリング時に「金額」を聞く。しかし欧米のラグジュアリー設計では、最初の打ち合わせで「30 年後の取り壊し手順」まで踏み込むのが慣例である。
寸法帳を机の上で開く夜こそが、ワードローブ選びの最初の夜となる。
エレベーター内法と玄関框に依存するが、概ね扉幅 780 mm 以下に分解できる構造なら、本体幅 240 cm までは搬入可能。分解組立費 38,000 JPY が別途かかる。
背面壁に硅藻土シートを施工し、内部湿度を 5〜8% 下げる。除湿機の月 1,800 JPY ほどの電気代増で年間を通じて 65% 以下に保てる。
ホワイトオーク突き板 28,000 JPY/㎡、ブラックウォルナット無垢 46,000 JPY/㎡。1 ㎡あたり約 18,000 JPY の差が標準仕様で出る。
框組・棚板・背板の接合不良、反り、割れが対象。蝶番・引出しレール・塗装表面は消耗品扱いで別途 1〜3 年保証となる。
造作(壁面一体)は解体費 90,000 JPY と工期 4 日を要するが、耐用 20 年超で部屋の資産価値に寄与しやすい。建付けは 12〜15 年で取替え前提となる。
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